ー 保険適用の矯正(外科矯正)サンプル ー
保険の対象になる矯正治療
矯正治療についてよく受ける質問に「保険が使えるのか」ということがありますが、一般的な不正咬合の治療には、保険を適用されず自由診療となります。
病気の“治療”には保険が適用されますが、不正咬合は病気として認められていないためです。病気の“予防”にも保険は使えません。
しかし、あごのずれが大きくて外科手術を併用しなければかみ合わせを改善することができない重度の不正咬合(顎変形症)や、“病気(先天性疾患)”と認められる不正咬合については保険が適用されます。
矯正治療前
矯正治療後
矯正治療が保険診療の対象となる条件について
■先天性疾患によるかみ合わせの異常がある場合
生まれつき唇が割れている、口蓋が裂けている口唇裂・口蓋裂などでかみ合わせに異常がある場合などが対象になります。
唇顎口蓋裂やダウン症などの先天性疾患は、矯正治療を必要とする不正咬合をともなうことがあります。厚生労働大臣が定める先天性疾患にともなう不正咬合については、歯科矯正診断料施設において保険での矯正治療が認められています。
■3歯以上の永久歯(前歯・小臼歯)が萌出不全で埋伏し正常に生えてこず、治療に埋伏歯開窓術が必要となる矯正治療が必要な場合
■顎変形症により顎骨状態(形・大きさ・位置)に重度の問題があり治療に顎骨の外科手術 が必要な場合
保険の対象になる指定医療機関
外科手術を伴う矯正治療
かみ合わせを改善するために外科手術が必要かどうかを診断する顎機能診断を受けなければならないため、専用の診断機器を所有している顎口腔機能診断施設でしか行うことができません。
当院は富山県より「顎口腔機能診断施設」「自立支援医療(更生・育成医療)指定機関」として認可を受けておりますので保険対象として矯正治療をおこなう事が可能です。
・顎口腔機能診断施設とは
都道府県知事より外科矯正を保険適用で治療可能な施設基準を満たしていると指定を受けている医療機関。
・自立支援医療(更生・育成医療)指定機関とは
心身障がい状態の除去・軽減をするための医療を提供する医療機関。
顎変形症の治療について
顎変形症(がくへんけいしょう)とはあごのずれが大きく、上下のあごの位置関係に異常をきたしている症状を言います。歯の生える位置や傾きだけでなく、あごの骨そのものに不正咬合の原因があるため、歯を動かす矯正治療単独ではかみ合わせを改善することが難しく、あご切りの外科手術を併用して治療を行います。
あごの骨の位置や状態によって、下顎のみを切離する場合と、上下両顎の切離が必要となる場合があります。手術は当院ではなく、口腔外科のある病院で受けていただきますが、1週間から10日程度の入院が必要となります。(詳しくは、手術を担当する医師にご相談ください)
顎変形症の方の矯正治療の多くは外科手術を必要とするため保険が適用されますが、顎変形症の診断を受けても、矯正歯科だけでの治療が可能な場合は保険が適用されません。
当院は顎口腔機能診断施設を受けておりますので、治療に必要な設備・外科手術を行う医療機関と連携する体制を認められ「指定医療機関」として認定されておりますので安心してご相談ください。
院長は顎変形症学会認定医を取得しています
唇顎口蓋裂の治療の治療について
唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)は、唇や上顎(口蓋)に亀裂が現れる先天性の疾患です。口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)や、発症する部位によって口唇裂(こうしんれつ)・口蓋裂(こうがいれつ)などとも言います。
発症の原因ははっきりとわかっていませんが、胎児の成長に伴い癒合(皮膚や筋肉などが付着すること)する部位が正常に癒合しないと唇が割れた状態や口蓋が癒着せず口腔と鼻腔が繋がった状態になります。
その状態のまま成長すると上下のあごの不均衡など不正咬合をともなう障害になる事がほとんどですが、唇顎口蓋裂は早期から口腔外科・耳鼻科・形成外科・矯正歯科などが連携して治療を行うことで機能面、審美的な改善をする事が可能です。
口唇裂や口蓋裂の症状がある場合は自立支援医療制度の対象として保険適用の対象となります。当院は自立支援医療(更生・育成医療)指定機関の認定を受けており、実際の治療では適切な矯正治療方法や時期などを口腔外科や耳鼻咽喉科等と連携し治療をおこなっていきますので安心してご相談ください。
治療内容 | スタンダードエッジワイズ法を用いた矯正歯科治療 |
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費用(自費診療) | 約88万円~110万円(税込) |
通院回数/治療期間 | 通院回数 24回 / 治療期間 約2年 |
副作用・リスク | 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。 歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。 歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。 歯並びを整え、きちんと噛めるかみ合わせと調和の取れた口元を作るために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。 保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。 |
※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。