ー 矯正治療Q&A ー
A当院で主に用いている矯正テクニックは、スタンダードエッジワイズ法です。
スタンダードエッジワイズ法は、患者様ごとに異なる歯の形や大きさ、傾きなどの情報を読み取り、歯の動きに合わせて細かくワイヤーを調節して行う方法です。その患者様だけに合わせた治療を行うことから、“オーダーメイドの矯正治療”と言われています。
お口の中の様々な情報を読み取りながら適切な調節を加えるのは非常に難しく、高い技術力と十分な治療経験が要求されますが、仕上がりの良さと言う点で優れた治療法です。
A軽い痛みを感じる方もいらっしゃいますが、 ほとんどは数日で治まります。
矯正歯科の治療は、歯を根から動かします。そのため、装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間、ジーンとした軽い痛みを感じる方が多いようです。痛みを感じると言うことは、歯が動いていると言うことです。ほとんどの方は数日で装置に慣れ痛みを感じなくなるようですが、痛みが強いときは鎮痛剤を飲んで様子をみてください。
装置が唇や歯茎に当たって痛む場合は、保護用のワックスを使用してみてください。装置が破損している場合は、お電話にてご連絡ください。
A目立ちにくい色のマルチブラケット装置をお選びください。
歯の表面に取り付ける装置をブラケットと言いますが、これまでは金属ブラケットしかなかったため、装置が目立ちやすいという欠点がありました。最近では白や透明色の目立ちにくいマルチブラケット装置が開発され、見た目を気にせず治療を受けることができるようになりました。
当院でも取り扱っていますので、目立たない矯正治療をご希望の方はご相談ください。
Aお子様の成長やお口の状態によって、開始に適した時期が異なります。
お子様の矯正治療は、口腔内の各々の患者様の将来に渡っての成長変化や歯並びを見極めた(予測した)うえで、個々の状態や状況に応じてその時期に必要なこと、できることを行っています。
6才臼歯や永久歯の前歯が生え揃った頃から、将来的な永久歯全体の矯正治療も考慮しつつ、最小限で最大の効果が上がるように治療計画を立てるため、お子様によっては永久歯が生え揃う前に開始することもありますし、永久歯が生え揃うのを待つ方が良いこともあります。
A患者様のお口の状態や成長の予測によって異なります。
お子様の周りのお友達が始めたからといって焦ったりせず、まずは矯正歯科医にご相談なさってください。
Aお子さんの矯正をしていると、「こどもの抜歯、非抜歯の問題」というのがあります。
当院では「健康な歯を抜かなければ、将来口元を美しく出来ないだろう」と予測できる症例の場合、保護者の方に抜歯をおすすめすることがあります。当然、お母様やお父様にしてみれば、「大事なこどもの健康な歯を抜きたくない!」と思われるでしょう。
そのような選択をせまられた場合は、「本当にお子さんにとって将来何が必要なのか?」「歯並びだけが良くなったにもかかわらず、口元が突出していても良いのか?」 というところまで、是非、考えて頂きたいのです。
Aお子様の成長や歯周組織の状態などによっては、永久歯が生え揃うまで経過観察を行う場合がございます。
治療を開始するタイミングについては、まずは矯正歯科医にご相談なさってください。
<成長や歯周組織に悪影響を与えるケース>
・かみ合わせや歯並びが悪いために呼吸や咀嚼、発音を阻害して生活に支障が出てしまう
・かみ合わせが悪いことで向い側の歯や歯茎・唇などの歯周組織を傷つけてしまう
A大丈夫です。治療計画通りに進められるというメリットもあります。
矯正治療は永久歯の歯列とかみ合わせを正しくすることが目的です。大人の方でも歯やあごの骨などがしっかりしていれば、矯正治療を受けることができます。
代謝機能の関係でお子様よりも治療期間が長くなりますが、逆にあごや骨の成長に制限を受けることがありませんので、治療計画通りに治療を進めることができるというメリットがあります。
A矯正歯科医の見極めが重要になりますが、矯正治療をしたから顎関節症になるわけではありません。
大人になってから矯正治療をすると顎関節症になる、というのもよく挙げられるリスクです。永久歯が生えそろったばかりのお子様はともかくとして、20代以上の成人の方は、歯並びが悪くても悪いなりにかみ合わせが確立していますので、矯正治療で歯並びを変えることで顎関節症のリスクが高くなると考えられるのも無理はないと思います。
しかし、矯正治療はただ単に歯並びを変えるだけの治療ではありません。経験を積んだ矯正歯科医であれば、かみ合わせも考慮した治療計画を立てますので、逆にあごの痛みが改善されたというケースもあるくらいです。
A歯並びによっては、矯正治療をするのに歯を抜く必要のある方がいらっしゃいます。
抜歯が必要と診断された方には、抜歯の理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットについてご説明をした上で、患者様自身にお決めいただいております。
同意なく抜歯をすることはありませんので、ご安心ください。
A歯を並べるためのスペースが不足している場合は、抜歯によってスペースを確保しなければならないことがあります。
大人の矯正では、歯を並べるためのスペースを確保する際に、こどもの矯正のようにあごの成長を利用することができませんので、抜歯によってスペースを確保しなければならないことがあります。
抜歯が必要と診断された方には、抜歯の理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットについてご説明をした上で、患者様自身にお決めいただいております。
同意なく抜歯をすることはありませんので、ご安心ください。
A大丈夫です。矯正治療によってリスクが高くなるということはありません。
歯を動かすことにより、ごくわずかに歯根吸収が起こることがありますが、歯がぐらついたりするほど重症になることはありません。
また、矯正治療後に顎関節症を発症するのは、かみ合わせを無視した無理な治療であごに過度な力がかかるようになったためです。かみ合わせを考慮した治療計画を立てられる矯正歯科医の治療であれば、顎関節症の心配はありません。治療前のカウンセリングなどで、治療計画について詳しく説明を受けると良いでしょう。
A歯根吸収とは、文字通り歯の根が吸収されて短くなってしまうことです。
歯科矯正の治療を受けるリスクとしてしばしば「歯根吸収」が挙げられますが、矯正治療によって起こる歯根吸収はごくわずかで、歯がグラグラするほど重症になることはありません。
しかし、動的治療の際に「無駄な動き」や「無駄な期間」があると歯根吸収のリスクが高まります。そのため、事前に無理・無駄のない治療計画をしっかりと立ててから治療を開始することが重要になります。
A歯肉退縮とは、歯茎が下がり(退縮)、歯根が露出するようになった状態のことを言います。
歯の根本(歯根)の表面が露出することで知覚過敏や、虫歯・歯周病リスクが増大する可能性があります。ブラッシングが強すぎたり、歯周炎や外科的治療による原因で起こることもあります。
矯正治療を専門に行う歯科医師は、力のかけ方や向きを考え、無駄な動きが無いよう治療を進めます。
Aリスクは高くなりますが、口腔ケアをしっかりと行うことで防げます。
歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。
しかし、食事のたびにブラッシングを行い、歯科医院で定期的なクリーニングを受けて口腔ケアをしっかりとすることで、虫歯や歯周病を予防することができます。当院では患者様ごとに担当の歯科衛生士を定め、クリーニングや歯磨き指導を行っています。虫歯や歯周病にならないよう、一緒に頑張りましょう。
Aもし虫歯や歯周病が見つかっても早期に治療をすることができます。
当院では矯正治療を始める前に、虫歯や歯周病になりやすい口腔環境かどうかのチェックをします(カリエスリスク検査・歯周病検査)。
虫歯は、口腔内の細菌(微生物)が食物を分解して酸を生成しますが、その酸によって歯のカルシウムが溶かされる(脱灰)ことです。同じ条件下でも虫歯になりやすい方・なりにくい方がいらっしゃいます。これは、虫歯の原因が細菌だけにあるのではなく、患者様が虫歯になりやすい口腔環境にあるかどうか(宿主の感受性)や、酸の基となる食物(酸産生の基質)をどのように摂取しているかなどの条件によって決定されるからです。
虫歯のなりやすさを把握した上で予防計画を立て、指導を行います。
動的治療が始まったら月に1回程度調節にお越しいただきますが、その際にお口のチェック(歯磨きが十分にできているか、虫歯や歯周病になっていないかなどの確認)も行います。
A矯正治療を開始する前に、歯周病治療を受けていただきます。
歯周病の症状が認められる方が矯正治療に適さない理由はふたつあります。
ひとつは、歯茎や歯槽骨など歯周組織にトラブルを抱えた状態で歯を動かすことは好ましくないということです。もうひとつは、プラークコントロールが十分でない状態で矯正治療を開始することは、歯周病を悪化させる危険性があることです。
歯周病が改善されないと、せっかく歯並びを良くしても、すぐに歯がぐらぐらになって抜けてしまうことになってしまいます。まずはしっかりと歯周病治療に専念してください。
A原則として保険適用外の治療となります。
現在の日本の医療法では、矯正歯科の治療は、一部を除いては保険の適用が認められていません。保険外のいわゆる「自由診療」となります。
保険が適用されるのは、
1)厚生労働省が認める特定疾患をともなう不正咬合 または 外科手術の併用が必要な不正咬合の場合
2)保険で矯正を行う認可を受けている医療機関で治療を受けた場合
に限ります。当院は自立支援医療(更生・育成医療)指定機関・顎口腔機能診断施設としての認可を受けております。顎変形症や口唇口蓋裂の矯正治療を保険で行うことができます。詳しくはお問い合わせください。
Aご予約の上、現在受けている治療の検査資料をお持ちください。
セカンドオピニオンとは「第二の意見」です。主治医の診断などについて、第三者の医師が専門的な意見を述べることですので、主治医が診断を下したのと同じ検査資料を拝見して、患者様のお口やあごの状態などを詳しく知る必要があります。
なお、セカンドオピニオンでは、主治医の診断や治療の是非について述べることはできません。現在の治療に不安を感じて転医をお考えの方は、「転医希望」としてご予約ください。