ー 歯科矯正治療3つのポイント ー
「歯並び」、
「美しい口元」、
「噛み合わせ」
「上手な矯正医か?」を見極めていただくための、症例写真の3つのポイントをご説明します。
この3つのポイントは誰でも分かる簡単なものです。
インターネットには様々な治療例が掲載されていますが、この3つのポイントをよく観察すると、
矯正医の実力が分かってしまうかもしれません。
歯科矯正治療は「きれいな歯並び」をつくるだけでなく、「美しい口元」と「きちんとした噛み合わせ」が矯正治療のポイントです。
※実際の歯科矯正治療のポイントはこれ以外にもたくさんチェックすべき点がありますが、素人の方にネット上で判断していただくのは最低限こちらの3つのポイントをチェックするようにアドバイスしています。
Point1.きれいな歯並び
歯を上下かみ合わせた時、上の歯と下の歯の真ん中(正中線)がまっすぐかどうかがポイントです。
矯正治療前のお悩み
- 歯並びのでこぼこ
- 歯並びが左右非対称
- 出っ歯で口が閉じにくい
- 反対咬合(受け口)
治療後のきれいな歯並び
でこぼこだった歯並びはまっすぐになり、左右対称(正中断)になります。 上下の歯がきちんと噛み合った状態で、前に出ていた歯がひっこむので、“出っ歯”が原因で開いていた口は、閉じることができるようになります。(全ての症例がこのようになるわけではありません)
※正中とは、身体を左右に切半する垂直断面をいいます。
矯正治療のご相談にいらっしゃる方のほとんどは、歯並びの悪さを気にされていらっしゃいます。当然のことですが、歯並びをきれいにしなければ矯正治療を行う意味がありません。しかし、矯正治療は、歯並びをきれいに整えるだけでなく、きちんとした「噛み合わせ」と「美しい口元」をつくることが重要です。
Point2.美しい口元
横向きの写真を見た時、口元の突出などはないか。鼻の先とあごのおとがいを線で結んだ時口元にじゃまされず、まっすぐの線をひけるかどうかがポイントです。
矯正治療前のお悩み
- 口元が出ている
- 口が閉じられない
- 無理に閉じると、唇の下、あごの部分に、緊張でしわが寄る
治療後のきれいな歯並び
歯の位置が正常になることで、口元もひっこみ、自然に口を閉じられるようになります。また、横顔もすっきりとした印象になります。(全ての症例がこのようになるわけではありません)
※日本人の場合は、鼻の頭とオトガイの先を結んだエステティックライン(E-Line)よりも内側に唇が位置するのが“美しい口元”とされています。
歯並びがきれいになっても、横から見ると口元が飛び出していては、ほんとうにきれいになったとは言えません。患者様からは非抜歯による治療を切望されることがありますが、「美しい口元にしたい!」というご要望が強い場合は「非抜歯では無理です」とお断りさせていただくことがあります。当院ではただきれいに歯を並べるだけでなく、口元の美しさも考慮しながら治療計画をたてています。
Point3.正しい噛み合わせ
下の歯2本に対して上の歯1本の割合でギザギザに噛み合っているかどうかがポイントです。
※噛み合わせを重視していない症例はここが合っていないことが少なくありません。
※正しい噛み合わせでは、下の歯2本に対して上の歯1本の割合でギザギザに噛み合っており、また、前歯の中心(正中)もズレなくぴったり合うことが、望ましい噛み合わせです。
矯正治療前のお悩み
- 上下の歯が噛み合わない
- うまく発音できず、しゃべりにくい
- 前歯で噛み切れない
治療後のきれいな噛み合わせ
永久歯の噛み合わせをきちんとつくりますので、その過程で舌の動きなどの問題があれば、簡単な機能訓練を行い改善します。食事や発音など、機能的な障害が解消されます。 (全ての症例がこのようになるわけではありません)
矯正歯科治療と美容目的の歯科治療の違いは、「かむ機能を改善することを一番の目的」とするか、「見た目の美しさを一番の目的とするか」ではないでしょうか。
歯がきれいに並んで見た目が美しくなっても、食べ物がかめなくなったりしゃべりにくくなってしまうのであれば、矯正歯科の治療が成功したとは言えません。歯がきれいに並び、口元も美しく、そしてきちんと噛めること。当たり前のことですが、どれが欠けてもいけないという考えに基づいた治療を行っています。
主訴 | 口元が出ている・歯が噛み合わない |
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診断名あるいは症状 | 開咬合・両突歯列 |
治療内容 | 上下左右の第一小臼歯を抜歯し、スタンダードエッジワイズ法にて矯正治療を行いました。 |
初診時年齢 | 28歳 |
治療に用いた主な装置 | マルチブラケット装置 |
抜歯部位 | 上下左右の第一小臼歯 |
費用(自費診療) | 約88万円~110万円(税込) |
通院回数/治療期間 | 通院回数 24回 / 治療期間 約2年 |
副作用・リスク | 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。 歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。 歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。 歯並びを整え、きちんと噛める噛み合わせと調和の取れた口元を作るために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。 保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。 |
※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。