拡大矯正について

拡大矯正の際の注意点

叢生(歯のでこぼこ)などの「顎が小さい」ため歯をきれいに並べることができない場合、解決方法の一つとして”顎を拡大する”という選択があります。

メリット「抜歯しなくていい」

抜歯することの最大のデメリットは「健康な歯を抜かなくてはならない」ということではないでしょうか?自分の歯はもちろんのこと、特にお子さんの矯正をしている、お母様やお父様にしてみれば「大事なこどもの健康な歯を抜きたくない!」と思われるのは当然です。
当院では、精密検査をしたうえで、お子さんと保護者のお話を伺いながら、治療方針をたてご説明し、治療をしてゆきます。決して、無駄に健康な歯を抜きたいなどと考えているわけではありません。将来的に口元が突出しないかどうかまで考え、結果的に抜歯をおすすめするケースもございます。同意なく抜歯をすることはありませんので、ご安心ください。

デメリット「十分に顎を拡大できない場合がある」

歯が並びきらない
場合があります

その場合は通常歯が並ぶ場所の外側に歯を並べるため、口元全体が突出して見えることがあります。

拡大矯正の際の注意点

上顎の真ん中には口蓋縫合という左右の骨の継ぎ目があります。この上顎骨は薄くて柔らからい骨で、また特に15,6歳ぐらいまではこの継ぎ目が癒合していないので、そこを利用して、人工的に骨折させるよう徐々に拡げていきスペースを作るのがこの方法です。顎を大きくするという観点からすれば、有効な手段といえましょう。
しかし、柔らかくて薄い骨だからといって、このような骨の変形を伴うことが、長期的にみてどのような影響があるかはまだわかっていない部分があります。

歯根が露出して
しまうことがあります

歯を抜かずに、拡大装置などで顎を広げる治療を行った際、骨の許容範囲を超えて過剰に広げてしまい、歯根が露出してしまうことがあります。拡大装置による矯正治療は歯肉退縮が生じやすいため治療計画時から注意が必要です。

矯正治療を専門に行う歯科医師は、力のかけ方や向きを考え、無駄な動きが無いよう治療を進めます。

治療内容 スタンダードエッジワイズ法を用いた矯正歯科治療
費用(自費診療) 約88万円~110万円(税込)
通院回数/治療期間 通院回数 24回 / 治療期間 約2年
副作用・リスク 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。
歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。
歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。
歯並びを整え、きちんと噛めるかみ合わせと調和の取れた口元を作るために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。
保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。

※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。