マウスピース矯正について

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、今まで主流とされてきたワイヤー矯正と比べ、透明で目立ちにくく、簡単に取り外しができるなどのメリットをもった近年人気の治療方法です。

  • マウスピース型矯正装置「インビザライン」は、日本国内では医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認の医療機器です。
    材料については日本の薬事認証を得ております。
  • 米アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、インビザライン・ジャパン社から入手しています。
  • 日本国内において医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けている同様の医療機器は複数存在します。
  • 1998年にFDA(米国食品医薬品局)により、医療機器として認証を受けています。
  • 日本では完成物薬機法未承認の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

矯正の装置やテクニックには様々な方法がございます。現在も新しい装置や技術は学会などでも発表されていますし、また、患者様からどのような装置で治療するのか?という質問も数多く頂きます。しかし、原点に立ち戻って考えた場合、重要なことは、どのような装置やテクニックで治療をするかではなく、「結果」なのではないでしょうか?

治療に必要と判断される期間の中でも、できるだけ短い治療期間で、満足度の高い結果となるような治療を目指す上で、当院では主にスタンダードエッジワイズ法による矯正治療を行っています。

マウスピース矯正をはじめる前に知っておくべきこと

1.対応できない、
適していない病例もある

マウスピース矯正は主に大きな移動を伴わない病例が対象となっています。

抜歯を必要とする場合や、外科手術を含む治療など、対応できない症例もございます。「この症状ならマウスピース矯正で治療できるはず」と安易に判断せず、まずは信頼できる矯正歯科医に相談してください。経験を積んだ矯正歯科医であれば、歯をどのように動かし、どのくらいの期間でどのような結果(ゴール)に導くかという「治療計画」をしっかりと説明できるはずです。

あまり詳しくない歯科医師にご相談された場合、歯並びは綺麗になっても、かみ合わせが悪くなってしまったり、動的治療に無駄な時間があると歯の移動にかける負担は増えるため、歯根吸収が大きくなるリスクも予測されます。

歯根吸収について

2.かみ合わせが悪く
なってしまう場合がある

マウスピース矯正は主に大きな移動を伴わない病例が対象となっています。

「きれいな歯並び」をつくるだけでなく、「美しい口元」と「きちんとしたかみ合わせ」も矯正治療のポイントです。しかし、マウスピース矯正は、かみ合わせに問題が出る場合がございます。

マウスピース矯正は、歯列全体を覆う治療です。マウスピースを装着することで、歯列の間に上下合わせて1mm 程度の厚みがある状態=歯は接触しなくなります。1mmは生体にとっては大きな変化です。

つまり、かみ合わせの治療を行っているにもかかわらず、装着することで「かんでいない」という矛盾が発生してしまうのです。
これが「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」の根本的な違いです。ワイヤー矯正では、直接歯と歯がかみ合う状態で治療が進んでいくため、装置を付けている時と付けていない時で、かみ合わせが異なるということはありません。

3.経験の浅い歯科医師でも
治療を行うことができる

矯正歯科は、専門性を問われる歯科治療です。しかし、現在の日本の医療法では、歯科医師の資格さえ持っていれば、矯正歯科の専門的な教育を受けていなくても「矯正歯科」を標榜することができてしまいます。 また、経営上の理由から、矯正治療をやりたいと考える歯科医師も多く存在します。

マウスピース矯正は、メーカーが独自に開発したソフトウェアで治療計画を作成します。しかし、本当にそれで歯並びが治るかどうかを診断するのは歯科医師です。 当然ですが、あごや歯の大きさ、歯列の状態、不正咬合の程度は患者様によって一人ずつ異なるため、「治療計画」も患者様によって異なります。技術力のない歯科医師が担当すると、大切な治療計画を患者様の口腔内を見ていないメーカーに任せることになってしまいます。

もしマウスピース矯正で、うまくいかなくなった時はリカバリーするためワイヤー矯正を行います。最も正確に矯正できる方法が、スタンダードエッジワイズ法と呼ばれるものですが、この方法は患者様に合わせた細かい調節を行うための高い技術力が必要となり、治療を行う歯科医師が矯正治療の経験を十分に積むことが求められます。

また、せっかく目立たない装置を選んだのにも関わらず、リカバリー以外でも保定期間に使用するリテーナー(保定装置)がワイヤー製の歯科医院もあることを知っておくべきです。

4.十分な検証が
できていない

歯科専門の弁護士によると、マウスピース矯正に関連する相談は近年増え続けています。
歯がきれいに並んで見た目が美しくなっても、食べ物がかめなくなったり、しゃべりにくくなってしまうのであれば矯正歯科の治療が成功したとは言えません。

ちどり歯科医院は、患者様へ安心して治療を受けていただくために、未検証の部分を多く残した治療方法をおすすめするわけにはいきません。

スタンダードエッジワイズ法の仕組み

ちどり歯科医院は、主に、ワイヤーを三次元的に曲げ、患者様の歯を一本一本動かしていくフルオーダーメイドの “スタンダードエッジワイズ法”という方法で治療しています。

スタンダードエッジワイズは、良好な結果を出すには優れたテクニックですが、「矯正装置が見えてしまう」「取り外しが出来ない装置」であることも事実です。

当院では、患者様に安心して治療を受けていただく為、公益社団法人 日本矯正歯科学会アライナー型矯正装置による治療指針 (平成29年2月27日発行)に従って治療を行っております。

どうしても「見えない矯正装置で治療したい!」「取り外しできる装置で治療したい!」という方がいらっしゃれば、個別にご相談ください。

治療内容 スタンダードエッジワイズ法を用いた矯正歯科治療
費用(自費診療) 約88万円~110万円(税込)
通院回数/治療期間 通院回数 24回 / 治療期間 約2年
副作用・リスク 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。
歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。
歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。
歯並びを整え、きちんと噛めるかみ合わせと調和の取れた口元を作るために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。
保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。

※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。